縁起物として有名な招き猫は
客商売の店に飾られることが多い置物です。
古くは江戸時代から親しまれていましたが
最近は色や形もバリエーション豊かになり
猫雑貨としても人気があります。
ドラえもんやキティーちゃんよりも
もっと昔から人々に愛されてきた日本最古の猫キャラクター。
招き猫に関する雑学をご紹介したいと思います。
■招き猫のルーツ
世田谷生まれの招き猫
参照元:http://www.city.setagaya.lg.jp/kurashi/106/149/641/643/d00006127.html
招き猫の発祥には諸説ありますが
その中でも最も有力とされているのは
東京・世田谷にある「豪徳寺の猫」の話です。
豪徳寺は世田谷城主・吉良氏が建立した寺ですが
吉良氏滅亡後すっかり貧乏寺になってしまいました。
貧しい生活でしたが住職は
一匹の白猫を我が子のように可愛がっており
「恩義を感じてくれているなら良い報せを連れてきておくれ」
といった冗談を時々語りかけていたようです。
きっかけは「手招き」
とある夏の日
鷹狩りの帰り道だった井伊直孝は
門前で手招きする白猫を見つけました。
猫の仕草が気になった直孝は寺に立ち寄ることに。
突然訪れたお殿様一向に住職は驚きましたが
奥へ通して手厚くもてなしました。
するとたちまち外は激しい雷雨に見舞われ
直孝は間一髪で雨を逃れることができました。
「これも何かの縁」と考えた直孝は
この寺を井伊家の菩提寺として定めました。
寺の復興のきっかけとなった猫が亡くなると
住職は墓を建てて丁重に葬り
「招福猫児(まねぎねこ)」として
人々から崇められるようになりました。
余談ですがこのエピソードをもとにして
彦根市の「ひこにゃん」が生まれたそうです。
■見た目で異なるご利益
右はオス、左はメス
右手を上げている招き猫は「金運」
左手を上げていると「人」
つまり商売繁盛のご利益があるとされています。
さらに性別も左右で違い
右手はオス、左手はメスとなっています。
三毛柄デザインの招き猫が多いのも
オスの希少性にあやかってのことかも知れません。
両手を上げる招き猫は見ようによって
「お手上げ」にも取れるためあまり人気がないようです。
また手の位置にも意味があり
高く手を上げていると遠くの幸運
低いと近くの幸運を呼び込むとも言われています。
色展開にも注目
色によってもそれぞれ違う意味が込められています。
【白】福を招く
【黒】魔除け
【赤】無病息災
【黄・金】金運アップ
他にも青やピンクなどの色がありますが
風水のインテリアとして取り入れるケースが多いようです。
また「票を招く」というダジャレから生まれたヒョウ柄は
選挙前になると需要が高まるのだとか。
■ワールドワイドな招き猫
参照元:http://s.webry.info/sp/jack8.at.webry.info/201504/article_1.html
海外では「Welcome Cat」や
「Lucky Cat」の名で愛されていますが
日本の招き猫とは手の向きが逆になっています。
こちらでは「手招き」を表すジェスチャーも
欧米では「あっち行け」という意味になるため
手のひらを上に向けた「カモーン」の仕草になのです。
中国の招き猫は日本よりも目が細く
右手を上げているものが少ないなどの傾向があるようです。
さらに興味深いのは
タイの招き猫(?)と言われている「ナンクワック」。
参照元:http://www.thaizer.com/culture-shock/mae-nang-kwak-the-little-lady-who-is-good-for-business/
手招きするポーズが特徴的で
右手で招いた福を左手の袋に集めます。
タイの伝統的な神様なので
招き猫由来ではなさそうですが
遠く離れた国にも招き猫と同じような
縁起物があるということが面白いですね。