早いものでもうすぐ年末です。
年賀状の準備は整いましたか?
1月8日以降の投函分は
10円値上がるそうですから
出し忘れには要注意です。
年賀状といえば来年は戌年。
「猫年がないなんて!」と
愛猫家たちの声が聞こえてきそうです。
猫がネズミに騙されたせいで
十二支に入れなかった話は有名ですが
他にもさまざまな言い伝えが残っています。
十二支のルーツを紐解きながら
猫が入れなかった本当の理由に迫ってみましょう。
■十二支はもともと植物だった
十二支とは古代中国の天文学から生まれたもので
カレンダーや時計のように使われていました。
12年かけて天を一周する木星の軌道をもとに
植物が成長する過程を12段階にしたもの。
つまり農業の暦なんですね。
植物が動物になった理由は色々ありますが
「一般庶民に広めるため」説が最も有力とされています。
動物に当てはめたため
「申(さる)」や「未(ひつじ)」など
実際とは異なる漢字になっているのです。
ちなみに十二支は12年で一周しますが
干支は60年で一つのサイクルとなるため
厳密にいうと2018年の干支は「戊戌(つちのえ)」。
干支と十二支は混同されがちですが
じつは数え方が違います。
■ネコ不在説のアレコレ
猫はネズミから嘘の情報を聞いたため
レース不参加となり十二支に入れなかった
という話は広く知られていますが
別のバージョンもあります。
たとえば
食中毒に倒れたお釈迦の薬を運ぶネズミを
猫が襲ったのでお釈迦様が亡くなってしまった
なんて話も。
涅槃図(釈迦が亡くなるときの絵)に
多くの動物が描かれているにも関わらず
猫の姿がないためにこういった話が
できたのかもしれません。
下の写真は京都・東福寺の涅槃図。
珍しいことに猫が描かれており
「猫入り涅槃図」とも呼ばれています。
参照元:http://www.tofukuji.jp/function/nehan_e.html
しかし十二支や涅槃図がつくられた
当時に中国には猫がまだ渡っていません。
案外「当時の中国に猫がいなかったから」
というのが道理に合うように思えます。
■「猫年」を祝う国もある
ベトナムの十二支には
ウサギの代わりに猫が入っています。
中国語でウサギを意味する「mao」と
ベトナム語の猫「meo」に似ているため
こうなったのではないかと言われていますが
その経緯については詳細不明です。
チベットやタイもウサギ年ではなく
猫年があることを考えると
作物を荒らすウサギより
ネズミを狩ってくれる猫の方が
有り難い存在だったのかもしれません。
またブルガリアでは
寅年が猫年になっています。
十二支にはそれぞれの国にとって
身近な動物が用いられているのです。