猫の鳴き声といえば「ニャー」ですが
海外でこの話をするとビックリされるそうです。
当たり前のように
猫は「ニャー」と鳴くものと思っていますが
これは日本独自の聞こえ方なのです。
では海外では猫の鳴き声を
どのように表現しているのでしょう?
同じ動物なのに
違いがあるのはナゼでしょう?
今回は猫の鳴き声をテーマに
お話したいと思います。
■「ニャー」は江戸時代から
じつは猫の鳴き声を
ニャーと表現するようになったのは
江戸時代からなのだとか。
源氏物語の『若菜(下)の帖』の中では
「ねうねうと いとらうたげに鳴けば」
と記述されており
「ねうねう」と書かいて
「ねんねん」と読みます。
大昔の日本人には「ねんねん」と
聞こえていたんですね。
ちなみに大の猫好きだった
歌川国芳の『流行 猫の狂言づくし』では
「にゃぐにゃぐ」と表現しています。
歌舞伎狂言の演目8つを
擬人化した猫が生き生きと演じている中
右下で口上を述べている猫のセリフですね。
■ところ変われば鳴声も変わる
世界各国の鳴き声を見てみましょう。
・アメリカ【Meow】
・フランス【Miaou】
・スペイン【Miau】
・イタリア【Miao】
・ロシア【Myau】
・オランダ【Miauw】
・スウェーデン【Mjau】
・トルコ【Miyauv】
・ヒンズー【Mya:u】
・マレーシア【Ngeong】
・ギリシャ【Niaou】
・韓国【Yaon】
・タイ【Meow】
・中国【Miao】
・インドネシア【Meong】
欧米ではMの発音から始まっています。
スペインやドイツなどのヨーロッパでは
とくに「miau」が多いようです。
日本のように「Nyaa」と
発音する国は他にありません。
■日本語はオノマトペが得意
このように各国で
鳴き声が異なる理由は
聞こえ方の違いにあります。
言語によって
音の種類、数、長さ
それらの繋ぎ方が変わるからです。
同じ音を聞いていても
馴染みのある音や並びに
自然と変換しているのです。
例えば英語だと「RとL」「BとV」の
音の違いを区別します。
細かい音を聞き取る能力が高いので
実際の音に近い発音ができます。
それに対して日本語は
そこまで繊細に聞き分ける必要はありません。
また音節も少ないので
その乏しさを補うために
多彩なオノマトペ(擬音語・擬態語)が
誕生したと言われています。
そのため
他の言語よりも豊富なオノマトペを使って
鳴き声を表現しているので
他の国と大きく違うのです。
鶏やカエルなど
複雑な音を含む鳴き声なら
さらに顕著に差が表れるはず。
国別でいろいろ比較してみるのも
面白いかもしれませんね。